若江漢字 ”存在論への問い”
Photo Object  - 写真、70年代から現在 –

2018年4月1日]- 6月17日[日]
10:00-18:00(入館は17:30まで)
毎週:月・火・水曜休館

入館料/一般600円、学生500円(小学生300円)

■ アーティスト・トークを開催 5月13日[日]15:00より 

■ NEXCO東日本が運営するサイト「ドラぷら E-NEXCOドライブプラザ」内のコラム「未知の細道」で当館が紹介されました。

 手法に捕われず、様々なメディアを用いて作品を制作し幅広い活動を続けている若江漢字。 今展では1970年代から継続して制作されている写真を用いた”Photo Object”による作品を新旧併せて展観いたします。

 1960年代後半から70年代初頭にかけて日本では絵画や彫刻と言った従来の美術を解体する 新しい表現方法の1つとして、写真を用いた美術作品を発表する作家が多数現れ、なかでも若江は事物の「視かた」や「見えかた」など人の視覚に関する問題に着目し、様々な作品を制作、高い評価を得ました。その後、他の作家の多くが再び写真表現から離れ一過性に終わる傾向がありましたが、若江は他の表現と並行して現在もモチーフや手法を変化させながら、日常を視点を変えて捉えることにより再規定(認識)する試みを写真作品(Photo Object )を通して行っています。

 また、昨今海外における日本の作家に対する再評価がなされている中で、若江が1972年に制作した写真作品がポンピドゥー・センター国立近代美術館(フランス)に収蔵されるなど、1960年代後半から70年代初頭にかけて様々な作家が手掛けた現代美術としての写真作品に対しても再評価の気運が高まっています。

“存在について” 若江漢字

様々なオブジェに釘が突き刺さっているかに見える 私の作品「Seeing & Looking-釘」は写真に釘が刺さったものだ。しかし、そうと知っても人はどうしても釘がオブジェに刺さっていると見てしまう。
 存在とは何か。認識される事だ。見る事から、触る事から、聞く事から、認識される事から存在は立ち現れる。
 その事のために、存在に対する認識論としての私の作品は存在する。

カリン・ザンダー/《見せる:オーディオ・ツアー》に寄せたオーディオメッセージより
国立国際美術館 2018年1月21日~5月6日

2018年5月3日 アーティスト・トークより

Kanji Wakae ”Questioning on Ontology”
Photo Object

April 1 (Sun) 2018 – June 17 (Sun) 2018
10:00 – 18:00 (Last admission 17:30)
Closed on Mondays, Tuesdays and Wednesdays

Admission:
600 yen for adults
500 yen for students
300 yen for elementary school students

  Kanji Wakae has been engaged in production by way of wide variety of media. The present exhibition presents old and new photographic works by Wakae, “Photo Object”.

  In Japanese modern art from late 60s to early 70s, many artists choose photography as a rebellious method in contrast to the conventional production methods such as paintings and sculptures. Among them, Wakae was highly acclaimed for his works focusing on human vision and sight. While many other artists’ photographic production was only temporary, Wakae keeps working with Photo Object with different motifs and techniques, in the aim of redefining common sights.

  In the global momentum of reevaluation of Japanese modern art, a Wakae’s photographic work of 1972 has recently joined the Centre Pompidou collection (France).

Translation by Miho Ida