生誕100年記念 ヨーゼフ・ボイス展

2021年1月9日[]-3月21日[]
10:00-18:00(入館は17:30まで)
毎週:月・火・水曜休館

入館料/一般700円、学生600円(小学生400円)

■ 当館では現在、国、県からの要請を遵守し、新型コロナウイルスの感染拡大防止策を講じた上で平常通り開館しております。
■ 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、会期等が変更となる場合がございます。詳細につきましては、美術館までお問い合わせください。 ※3月22日(月)~4月2日(金)は展示替えのため休館になります。

2月8日発行の産経新聞「かながわ美の手帖」にて紹介いただきました。

 ヨーゼフ・ボイスは「社会彫刻」と呼ばれる社会の中に機能する芸術の概念を生み出し、60年代以降のアートシーンに多大な影響を与えると共にその作品やアクションを通し、政治、経済、環境という社会的な問題について様々なメッセージを発信し続ける事で従来の近代美術を克服した20世紀を代表する作家の一人です。
 カスヤの森現代美術館では1994年の開館当初より企画展や常設のコレクションを通してヨーゼフ・ボイスについて紹介してまいりました。2022年5月に生誕100年を迎えるのを記念して普段展示されていない作品やアクションの記録写真などを展示、没後35年が経過する中、改めてその作品に触れ、そこから導かれる思想や未来の芸術のあり方を示そうとしたボイスのメッセージを再考する機会になればと考えます。


1984年に来日した際、ヨーゼフ・ボイスはインタビューの中で自身の芸術活動について以下の言葉を残している。

「私が試みていることは観賞される芸術作品ではなく、作品を通して何故それが成立しているのか、それがいかに社会と係わりをもっているのかーーそういう何故という問いを起こさせることであったのです。つまりそれが私のアクションの意味なのです」
(中略)
「私の目的は、自らが芸術家であることを見せることではなく、それを見た人々に問いに至るまでの意識を喚起させることでした。そこでは見る人そのものが問題になっているということです。私は人々の中に深く眠っているこうした意識を呼び起こすために、アルカイックな方法をとったわけです」
(1984年5月30日 朝日ジャーナル インタビューより)

 つまりボイスが目指したのは人々が美術館を訪れ、そこに飾られた作品を観賞することで完成する従来の芸術表現ではなく、観賞した時に始まり、観賞後の人々の行動こそが重要であり、ボイスはその行動のきっかけを与えるために様々な手法を生み出し、提示し続けたと考えられます、単に新しく奇抜な表現を求めた訳ではなく、人々の中に新しい意識が芽生える事を信じて。


1921-2021 Joseph Beuys

January 9 (Sat) – March 21 (Sun) 2021
10:00 – 18:00 (Last admission 17:30)
Closed on Mondays, Tuesdays and Wednesdays

Admission:
700 yen for adults
600 yen for students
400 yen for elementary school students

Joseph Beuys developed a concept of “social sculpture”, the art that functions in society, and significantly influenced the art scene of 60s and later. Beuys, who has overcome the conventional modern art through artworks and actions on politics, economics, and environmental issues, is undoubtedly one of the representative artists of the 20th century.

Museum Haus Kasuya has been presenting Beuys’ works in temporary exhibitions and the permanent collection since its opening in 1994. In commemoration of 100th anniversary of his birth in May 2022, we present the artworks usually not displayed to the public as well as photographic record of his actions, hoping to provide an opportunity to rediscover Beuys’ works and reconsider his messages suggesting what the art should be in the future.

Translation by Miho Ida