オットー・ケスター  典子 マルティン・ファウゼル 《ドイツ−記憶の母胎》
2008年8月1日(金)〜10月12日(日)
A.M.10:00-P.M.6:00(入館はP.M.5:30まで)
毎週:月・火休館 10月13日(月)は休館になります。
入館料/通常料金 500円
●ギャラリー・トーク 8月3日(日)14:00〜 
 堀 典子、ゲスト:クリスティーネ・ファウゼル



助 成 : 財団法人花王芸術・科学財団 / 財団法人野村国際文化財団
  財団法人朝日新聞文化財団  

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●コレクション可能な現代美術作品をご紹介

 オットー・ケスターは現在までに500名を超える日本人が学んだ、ドイツの名門デュッセルドルフ美術学校でマタレー、ケスター、ボイスと連なる名教授の一人で、今日のドイツ美術を代表するリヒター、ポルケにも影響を与えた銅版画家です。1962年以降は完全にその芸術活動を停止し、1990年に没するまでその沈黙を続けました。
 小説家カフカの代表作「変身」が初版された1927年に挿絵を制作し、その作品世界を初めてビジュアル化したオットー・ケスターの作品は、母国ドイツで高い評価を受けているにも拘わらず、日本では一度も発表されたことがありません。
 今展では、1962年迄のケスターの内面的で宗教的精神に裏打ちされた代表的銅版画作品、約80点を展示いたします。その敬虔な姿勢は社会風俗に安易に迎合する現在のアートに対し、今もなお芸術の本道を示す指標であり続けています。
 堀典子はデュッセルドルフ美術学校の初の日本人学生として、1959年から64年まで師オットー・ケスターのもとで美術の研鑽を積み、画家としての礎を築き、この人生の一時期に遭遇したヨーロッパを現在も「記憶の母胎」として、たおやかな内面性を秘めた静物・風景画を制作し続けています。
 やはり日本未発表で、これからが期待されるマルティン・ファウゼルは、80年代にデュッセルドルフ美術学校でケスターの弟子に絵画を学び、その深い精神性を備えた抽象画にはケスターの後継者としての資質が流れています。

 今回、オットー・ケスターという巨星とその光のもとに集まった堀典子、マルティン・ファウゼル、それぞれの作品世界が、絵画が再注目されている今日のアートシーンでどのような輝きを見せるのか、とても興味深い展覧会と言えます。

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