辻 けい
展 あか から
あか へ Red like the spring water 2009
辻は美大で染色を学び、その後舞台美術等に関わり空間的な作品を発表する。
さらに、80年代後半からは数多くのフィールドワーク、インスタレーションを世界各地で精力的に行っている。
近年は「ラック」というカイガラムシの巣を精製したものを染料として赤く染められた糸を作家の身巾に織り、その薄い長さ40メートルほどの織物を用いて数々のフィールドワークを展開している。染色した糸(織物)を自身に喩え、それを野外(森、砂漠、水辺など)に置く(捧げる)ことで自己と自然界との関わりを探求し続けている。
今展では室内と野外の2会場を使って作品を発表する。
室内展示ではラックで染色された糸を漉き込んだ和紙を会場壁面にインスタレーションする。
この漉き和紙は、フィールドワークで流水にあかい糸(織物)を放った際に目撃した、糸が水中であたかも今生まれた生命体のように漂う姿、その時の状態をそのままに定着したいと言う思いから作られている。
また、今展に合わせ制作された立体作品を展示すると共に2008年に青森のグダリ沼(駒込川の源流)で行ったフィールドワークの様子を水中カメラで捉えたDVD映像で紹介する。
野外では美術館の竹林にある井戸(湧き水)にオブジェを配置したインスタレーションを予定している。
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