cz竹内孝和cz
TAKAKAZU TAKEUCHI

《過剰な食卓》

2008年6月1日(日)〜7月27日(日)

A.M.10:00-P.M.6:00(入館はP.M.5:30まで)
毎週:月・火休館 
入館料/通常料金 500円

●オープニング・パーティー 6月1日(日)14:00〜






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竹内孝和

 シャボン玉は外と内のギリギリの緊張感の中で成立する彫刻として捉えています。それは体内から吐き出された息によって生まれ、刻々と色を変えながら空間に還元されます。人やその生活空間は薄い膜の表面に映し出され、その中は空洞であり一瞬にしてその姿を消してしまう…。
視界に飛び込む全てのモノは光を浴びキラキラと輝きながら網膜に映し出されますが、それら物質的現象は意味の膜で構成された表面でしかなく、その実体は掴み得ないのです。
すべてのモノは人間によって作られ、また自ら作ったモノに縛られて生きている。しかし人もモノも絶えず変化しながら、いずれは地に還元されるのです。私はそのことをネガティブに捉えるのではなく、正対し直視することを努めることで新たな世界との遭遇ができると信じるのです。

  今回この展覧会では「食欲」→「欲望」に焦点を当て、食卓が映り込んだシャボン玉の写真と白磁の食器を積み重ねた彫刻を考えています。ライオンは空腹時以外に他の動物を襲いませんが、人間の「食欲望」は食べることそのものへの飽くなき欲望であり、ローマ市民の嘔吐部屋が象徴的な例として上げられます。食事を楽しむために、満腹になれば嘔吐部屋に行って吐き、食卓に戻って何度でも食べ続ける。人間の欲望の根源にあるものは、ときに自然の摂理に反するものであり、言葉によって意味づけられたこの人間社会にのみ発生し、生命維持の基になる単純明快な欲求とは全く質の異なるかたちへと進化しています。日本では近年グルメブームに伴うグルメ雑誌の発売や食べ物を扱ったテレビ番組が絶えず放送されています。異文化社会から訪れた外国人はこういった現象に驚くようです。日本の食文化は世界に誇るものがありますが、ストレスの多い日本社会では異常に欲望を掻き立てる情報が渦巻いているように思えます。

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