湯原 和夫 展 |
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2000年 9月15日(金)〜11月19日(日) 湯原和夫 1930 東京都生まれ ●10月8日(日) P.M.4:00〜7:00 月観茶会(薄茶席2席、点心席 会費¥5,000 要予約) ●10月15日(日) P.M.2:00〜 湯原和夫によるアーチスト・トーク |
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在ることと意志 在ること、実在すること、主張すること、空間に存在すること、動かさざること、 ものとして在り続けること、事実としていつ迄も在る、意志によって創られ 意志によって定着化される、いづれの束縛からも自由で独立している、 在ることを主張することはより先鋭であるより単純でなくてはならない、 その純粋さが普遍的な世界性を造る、饒舌であってはならない、 本質を愛する(おもう)ときそれは無限の広大さに転化する、 常に肯定的でありペスミスティックではない、 肯定的世界は攻撃的であり、平和である、又防衛的でもある、 それを決定するのは意志である。 知覚はその感性から生まれる、 素材の在り方を通して知覚は客観化されその行方は知覚の永遠性に転化される、 それは他の精神性と共振して増幅され可能性を生み一層その存在性が主張される。 その世界は全く自由の世界である。 湯原和夫
彫刻家・湯原和夫は1963年の丸善石油芸術奨励賞展における大賞受賞を契機に渡仏。1960年代から現在に到るまで日本、フランスを中心として精力的な制作、発表活動を展開している。 1960年代から70年代にかけてステンレス素材を用いた湯原の作品はミニマル彫刻と呼ばれ、ハイク(俳句)スタイルのミニマルアートは日本人アーチスト・湯原和夫の独壇場となった。そしてそれは1970年パリの一流画廊ソナベントでの個展に結実する。1982年には神奈川県立近代美術館において個展が開催され、ステンレスを使った彫刻作家としての地位を不動のものとした。それは存在ー認識論といった哲学的命題に基づく作風を充分に発揮した重要な個展となり、今なお語り継がれている。 最近では1996年のスカイドア(東京)での個展において、建築素材である亜鉛型形平板を使って、直径2mを超える円筒形と4-5mの実際のガードレールを設置するインスタレーションを発表した。 そして3年ぶりの個展となる今展では、1.8m正方(厚2cm)の白いフェルト生地4枚を円筒形にビス止めする。強引に造形された円筒形。しかしその中央部に出来る柔らかな膨らみに、これまでのステンレス・亜鉛板という硬質素材からは感じることの出来ない感性を見ることが出来る。 彼自身“在ることを主張することはより先鋭であり単純でなければならない。その純粋さが普遍的な世界を造る”と語るように、70歳となった現在もその作家としての姿勢は純粋で攻撃的であり自由でありつづける。 カスヤの森現代美術館
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