第一展示室
言説が無明を超える 松澤 宥
再読
松澤宥氏は1964年6月「オブジェを消せ」という啓示を受けて以来、それまでの造形的な仕事から離れ、純粋観念の世界に入り文字を使った作品やパフォーマンスを国内外で発表。コンセプチュアル・アートの先駆者として世界的な評価を得ました。
2006年に没して以降も(享年84歳)その評価は変わらず、2009年にはニューヨーク近代美術館(MoMA)が開催した「アムステルダムの内外」展の一部として松澤氏が残した作品が紹介されるなど注目を集めています。
カスヤの森現代美術館では1995年4月に開館初の企画展として松澤宥氏の「量子芸術宣言」を取り上げ、2002年3月には2回目となる松澤宥展「80年問題・言明・公案」を開催いたしました。その後もグループ展に参加していただくなど交流を深め、継続的にその作品を紹介してまいりました。今回、2006-07年開催の追悼展を含め当館での過去3回の個展の出品作とコレクションを中心にパフォーマンスビデオ、書簡を含めた資料を展示し、その貴重な活動の一端をご覧いただきたいと考えております。
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