山本正道  シモン・パシエカ
−寓話との出会い

2016年8月5日(金)〜10月16日(日)
A.M.10:00-P.M.6:00(入館はP.M.5:30まで)
毎週:月・火休館
入館料/一般600円、学生500円(小学生300円)

会期中、8/20(土)および10/2(日)、10/9(日)はイベント開催につき一般の方の見学は12時までとさせていただきます。
ご来館の際はご注意下さい。

助成:
公益財団法人 花王芸術・科学財団/
公益財団法人 野村財団/
公益財団法人 朝日新聞文化財団/
神奈川県文化芸術団体事業助成事業


※10月2日(日) 高橋アキ ピアノ・コンサート 開演:16時 チケット要予約
定員を超える申込みをいただきましたので、大変申し訳ございませんが
新規のお申し込みについては締め切らせていただきました。

※ブログをはじめました。美術館からのお知らせや日々の様子をお伝えします。

第一・二展示室

山本正道  シモン・パシエカ
寓話との出会い

 数々の彫刻賞を受賞、日本を代表する彫刻家のひとり山本正道氏。パリを拠点にヨーロッパ各地で活躍、その作品世界に注目の集まるシモン・パシエカ氏。両作家に共通しているのは、作品制作に対する誠実さ。その姿勢は作品の持つ確かな力となって見る者を造形の先にある、精神的な高揚へと導きます。それは、昨今、良く目にする驚きや、陶酔といったエンターテイメントに寄り添った感覚のものではなく、見る者の精神をより良質なものへと陶冶するような深い精神性を持つものです。

 山本氏は風景彫刻という独自の世界を確立し、その静謐な空間にはさまざまな記憶の糸から紡がれた造形物のキャストが配されます。石やブロンズで形づくられたモノトーンの世界、ある一瞬に閉じこめられた永遠性、その地に立つ樹木はすでに造形を離れ、広大な精神の大地に深く根差しているように見る者を錯覚させます。

 パシエカ氏の絵の中で何か儀式めいた行為を真剣に繰り返す主人公たち、彼らに年齢はなく、彼らの過去は絵の中に見えるその一瞬でしかありません。そして彼らはそれぞれの環境での体験を通して彼ら自身を見つめようとしています。その光景は誰もが遭遇(経験)したことのある場面のようであり、またどこにも存在しない世界のようにも感じられます。パシエカ氏は画面を通して、それぞれの人の中で眠っている何か大切な記憶や感覚を呼び覚まそうとしています。それは、現実社会に生きる私たちに今とは違った社会との関わり方や見方の新しい可能性に気付かせてくれます。
 
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