彦坂尚嘉 
『本歌取り新古今和歌集』&『孫たちの名画遊び』の2本立て上映

2020年8月8日(土)〜10月4日(日)
A.M.10:00-P.M6:00(入館はP.M.5:30まで)
毎週:月・火・水曜休館

入館料/一般700円、学生600円(小学生400円)

9月21日、22日は休館になります。



特別講演 9月5日(土)15:00より ※要予約 先着15名様
 弁士:彦坂尚嘉
『平安新古今時代の子供の絵について』『キルヒナーの切断された手』



※ブログをはじめました。美術館からのお知らせや日々の様子をお伝えします。

第一展示室

彦坂尚嘉 
『本歌取り新古今和歌集』&『孫たちの名画遊び』の2本立て上映

現代美術の作家としてのみならず、執筆活動や独自に開発した言語判定法を駆使して、芸術分析を展開するなど多岐にわたる活躍で注目を集める彦坂尚嘉。本展では近年力を入れて制作している切断芸術による作品を中心に展観いたします。
※本展は、映像作品ではございません。

展覧会について  彦坂尚嘉
 
さて、今回の作品は、欧米の名画を切断したもので、普通にはやってはいけないことをやっています。
 私が前提にしているのは、日本の新古今和歌集です。この新古今和歌集も実は評判は悪くて、アララギ派の正岡子規が『写生論』を背景にして、『古今和歌集』を「くだらぬ集」と激しく罵倒しています。
 それに対して、北原白秋は、新古今和歌集を「日本短歌最上の象徴芸術」であり「日本詩歌の本流」と賛美しているのです。
 つまり、一つの歌集に対しても、評価は、激しくぶつかり合うのです。
 私の今回の名画の切断芸術もまた、「くだらぬ作品集」という批判は強くあるでしょう。あるいは反対に、世界美術史というものの再評価を組織化した「最上の象徴芸術」であると認めてくださる方々もいるかもしれません。
 新古今和歌集の中で、手法という面では『本歌取り』というのが有名です。この本歌取りを、切断芸術としてやっているのですね。
 まあ、こういう『本歌取り』に意味を見いださない人はいると思いますが、それは知っていてやっているのですね。まあ、ご批判の多い作品ですが、私自身は、美術オタクで、小学校三年生から世界美術全集を小学校の図書館で見て来ていた人なのです。
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