22開   館   2   0   周   年   記   念22
Z なぜ今ヌードなのか?!Z
   若江漢字 Z
絵画の主題 《裸婦》Z
 
K A N J I  W A K A E


2014年
11月14日(金)2015年1月25日(日)

A.M.10:00-P.M.6:00(入館はP.M.5:30まで)
毎週:月・火休館
入館料/一般600円、学生500円(小学生300円)






★スペシャル・プログラム
2015. 1/18 巖谷國士 ★ 特別講演 先着50名(要予約)
「ヴィーナスは裸にされて、さえも」マルセル・デュシャンと若江漢字



※ブログをはじめました。美術館からのお知らせや日々の様子をお伝えします。

第一展示室

絵画の主題 《裸婦》 若江漢字

 若江漢字は1960年代後半より美術家として国内外で発表を続け、これまでに写真を使用し「視覚」の問題を哲学的に問うコンセプチュアルな作品や政治、経済、環境問題等を含む社会的なテーマを扱ったインスタレーションなどを数多く手掛け、その年代ごとに特徴的な表現で注目を集める作品を制作している。

 本展では絵画の古典的なテーマとして様々なアーティストによって繰り返し描かれ、作品化されて来た「裸婦」に挑んでいる。クラーナハやゴヤ、アングルらが残した名作からの巧妙かつ大胆な引用などを交え、独自の視点と解釈によって制作された新作絵画を中心に展観する。
 「裸婦」については現在、ポルノを含めれば裸の女性像は巷に氾濫し、何かそれだけでは特別な領域として意識付けする事が困難に感じられる。かつて絵画の象徴的なテーマに掲げられた「裸婦」は過去のモノと捉える見方も強くある中、本展で若江氏が「裸婦」をテーマにどのような切り口で作品を構築し、新たな扉を開くのか非常に興味深い。


 私は21世紀の絵画のあり得べき姿を模索する中で、もう一度絵画芸術と呼べるような、物語性や豊かで謎に満ちた、近代以前の古典的姿=社会が芸術家にテーマを与えていた時代の芸術「テーマ主義的絵画」をこの21世紀的な視線で再生したいと考えるようになった。
 それで数年前にはキリスト教をテーマとした連作を発表し、今回は絵画の主題(テーマ)としての"裸婦"に挑戦している。 この2大テーマを乗り越えた後に、私はその経験を生かしたペインティングではなくピクチャーと呼ぶべき豊かな背景を持つ様式美に満ちた絵画制作を続けたいと念願している。

若江漢字
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