第一展示室
それから
木村友紀 田口和奈 森 千裕
当館では、1994年の開館より国内外の現代美術作品を企画展や常設展示を通して紹介してまいりました。今年、開館25年を迎え、これまでの活動を踏まえつつ新たな幕開けと更なる飛躍をめざす記念展として、現在その活躍が注目され、この先日本の現代美術の牽引役として期待される作家に焦点を当てた展覧会を年間を通じて企画しております。
本展も同企画の一つにあたり、出品者の田口和奈、森千裕は以前、OJUN氏(東京芸術大学教授)のキュレーションにより選出され当館で行った展覧会「アテンプト」(2007,2011)にそれぞれ参加しています。その後、田口は"ヨコハマトリエンナーレ2011:OUR
MAGIC HOUR" に選抜されるなど、国公立の美術館が企画する展覧会に招聘され、現在はウィーンを制作拠点とし活躍を続けています。また、森についても豊田市美術館での個展「OMOIDE
IN MY HEAD」(2017)、「In Focus: Contemporary Japan」(ミネアポリス美術館,2018)など国内外の展覧会に参加し評価を得ています。今回、この二人に加えベルリンを拠点に第30回サンパウロ・ビエンナーレ(2012)や「OCEAN
OF IMAGES: NEW PHOTOGRAPHY 2015」 ニューヨーク近代美術館(2015)に参加するなど注目を集めている作家、木村友紀を招き展覧会を行います。
3名は世代的に近く、それぞれ20代の早い時期からキャリアを積み重ね、その作品は高く評価されています。今回、グループ展としては初顔合わせとなる3名の作品は、本来なら個展としてそれぞれの世界がしっかりと構築された中で堪能することがベストなのかもしれませんが、本展は「見てみたい」という当館の要望を受けていただく形で実現した、少し欲張った3人展と言えます。それぞれの作家の持ち味を承知している現代美術のファンの方々がご覧になってもきっと新たな発見があるでしょう。
令和元年の最初の企画展としてふさわしい、3名のこれまでの仕事ぶりと、その先の”それから”を垣間見る事のできる展覧会になればと考えます。 |
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